費用・費用対効果

有料老人ホームを選ぶにあたって、一番気になる項目であり、もっともトラブルの多い費用について解説します。

有料老人ホームの契約方式と利用料の支払方式

大前提として、有料老人ホームに入居すると「前払金」が、入居後に「月額利用料」が発生します。

  • 前払金
    入居時に一括して払う前家賃のこと。例えば、70歳で入居して90歳まで生きたとしたら、20年分の家賃に相当するもの。
  • 月額利用料
    毎月の生活にかかる費用のこと。食費、建物の維持管理費、人件費、光熱費などが含まれます。
電卓・計算イメージ

入居一時金を支払って入る有料老人ホームは「利用権方式」といい、居室に住む権利とサービスを受ける権利を同時に購入します。相続や譲渡は認められません。

一方、月額利用料に家賃相当額を含めて払う「建物賃貸借方式」という方法もあり、こちらは一般の賃貸住宅と考え方は同じです。入居者の借家権が守られるので、運営事業者が変わっても住み続けることが可能となります。ただし、介護などのサービスを受ける権利は、別契約が必要となるので注意してください。有料老人ホームは「前払金」を支払う利用権方式が一般的です。

以下で、老人ホーム入居の際に必要となる主な費用について解説していきます。

前払金

安いところでも数十万円、高いところでは数億円という金額を一括で払うため、どうしても有料老人ホームは「高額」というイメージがついてしまいます。

前払金はマンションと同じで、土地代と部屋の広さで決まります。都心にあれば高く、リゾート立地ならば安くなります。(ただし、バブル期に取得した土地は価格が高いので、建設時期の確認もした方が良いでしょう)。

自分の予算に合わせ、都心型か郊外型か、あるいはリゾート型かで選べば、理想のホームを見つけることも可能となるはずです。

また、前払金が高ければ、部屋の広さにも反映されます。しかし、部屋が広いからといって受ける介護サービスが変わることがないということにも注意してください。

そして、大金を払って広い部屋へ入居しても、寝たきりや認知症になって常時介護が必要となれば、介護居室に移り住んで生活することになります。前払金を払って獲得した広い部屋に住めるのは元気なうちだけ、倒れたら四人部屋に…というケースも稀ではありません。介護居室に移り住む時、部屋はどれだけ狭くなるのか、また相部屋になってしまうのか、といった部分も調べておいた方が良いでしょう。

前払金は、入居した後、長生きすればするほどお得になる契約方法です。そういった部分も含めて、「前払金」という終身家賃の一括前払い式でもあります。ぜひ、将来をしっかり見据えて予算の計算を立ててください。

ちなみに、ネット上では有料老人ホーム入居者の家族100人に、「老人ホーム入居時にかかった費用(前払金)について」のアンケート結果が公表されており、1万円以上~50万円未満の方が25人と1番多くなったとのことです。さらに、最小金額は0円、最高金額は3,500万円、入居者100人の平均は508万円となりました。

有料老人ホームに入居する際の前払金は、自立なのか要介護なのか、入居時の年齢、部屋の広さをはじめ、さまざまな条件によって異なることを覚えておきましょう。

月額利用料

最近は、前払金が安い代わりに、月額利用料に前払金を上乗せするような「前払金ゼロ(家賃月払い)」のところもあります。やや割高となりますが、一時的なケアのために短期間利用するのであれば、悪くない契約ですので、選択肢の一つに入れるというのも有りでしょう。

基本的な月額利用料は、管理費、食費、水道・光熱費です。月額利用料に含まれない有料サービスは各ホームによって多種多様なので、確認をしてみてください。

返還金

前払金を支払ったものの、何らかの理由で退去する可能性もゼロではありません。そのような場合、償却期間内であれば、返還金としてお金が戻ってきます。

前払金は、入居時にその一部が初期償却され 、残りの金額を償却年数で少しずつ償却されていくのが普通です。一時金は、利用者が老人ホームに「預けるお金」という位置づけ。途中で退去することになったら、償却分を引かれた残りの金額を返還するのです。

ポイントとしては、

  • 初期償却率が低い
  • 償却期間が長い

といった契約であれば、仮に入居して一年後に退去となった場合、戻ってくる金額は高くなります。

退去する場合、いくつかのパターンでシミュレーションをして、確認しておくとトラブルを防ぐことができます。

また、有料老人ホームは90日以内の短期解約特例(クーリングオフ)が適用されます。たとえば「入居2か月で亡くなったのに前払金が1円も戻ってこなかった」というような場合、有料老人ホーム協会(該当施設が加盟している場合)や自治体の消費者センター、法律相談などにまず相談してみましょう。