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待機に見合うのか?千葉県の特養老人ホーム事情

高齢化、介護需要の増加が傾向が続く千葉県において、老人ホームにまつわる課題は、親子でしっかり話し合うべきテーマです。今回は、息子さん、娘さん世代に向けて千葉県の老人ホーム事情を紹介します。

介護が必要となったご両親がいらっしゃるなど、千葉県で老人ホームを探している方がまず注目するのが特別養護老人ホーム(特養老人ホーム)になるかと思います。特別養護老人ホームとはなにか? まずはそこからいま一度理解しておきましょう。

特別養護老人ホームとは?

まず前提となるのが、特別養護老人ホームは地方公共団体や福祉法人など、民間業者ではない公的な組織によって運営されています。

しかし、特別養護老人ホームは、誰もが入居できる施設ではありません。病気などにより、家庭での生活が困難であると認定された高齢者のみが入居できます。具体的には、65歳以上の高齢者であること。さらに要介護認定(3以上)を受けている方が対象となります。介護サービスを公的に受けられる施設となるため、寝たきりの方や重度の認知症を患っている方など、審査の結果から介護の緊急性が高いと判断される高齢者が優先されて入居できるようになっています。

低料金だけどサービスは?特別養護老人ホームのメリットとデメリット

公的な組織による運営のため、民間の老人ホームよりも比較的低料金で入居できることが特別養護老人ホームの特長です。入居の際の一時金は不要。月々の家賃や光熱費、食費、その他雑費などが発生します。おおむね10万円程度が相場とも言われています。

低料金で入居できる反面、民間の老人ホームと比較してサービスの充実度が低くなってしまう側面もあります。基本的には共同生活を送る施設となり、居室は個室ではなく相部屋となることが一般的です。

また、医療の面で不安な点もあります。看護師の常勤が必須と義務付けられている施設ではないため、夜間時などは不在となることも考えられます。継続した医療ケアを求める高齢者には注意が必要です。

千葉県は?待機高齢者が絶えない特別養護老人ホーム

メリット・デメリットの両面がありますが、それでも自宅での生活が困難となってしまった方にとっては頼りがいのある施設であるため入居希望の声は多く、全国的に入居待ちの行列が起きています。どんなに早くても数ヶ月、場合によっては入居までに10年近くかかることもあるそうです。そんな中、千葉県の特別養護老人ホームの現状はどのようになっているのでしょうか。

千葉県では平均150人もの高齢者が待機

千葉県内には400以上もの特別養護老人ホームがあります。それだけたくさんあるのなら、行列もなく入居できるのではないかと思うかもしれませんが、残念ながらそうではありません。

2017年7月現在、千葉県内にて最も多くの待機高齢者がいる特別養護老人ホームは、匝瑳市の「特別養護老人ホーム 松丘園」。その待機人数はなんと800人を上回っているのです。待機高齢者がいない特別養護老人ホームは千葉県内にはひとつも存在せず、行列の人数を平均すると、1施設につき150名近くにも上ります。特別養護老人ホームの順番待ちを強いられている高齢者は、千葉県内にも大変多くいらっしゃるのです。

特別養護老人ホームは待機するに見合うのか?

全国的に高齢化社会が進む情勢において、千葉県も例外ではありません。特別養護老人ホームの順番待ちの解消は至急改善すべき課題として認識されていますが、なかなか進んでいないのが実情です。

制度改正が行われるも本質的な課題解決には至らず

2015年、特別養護老人ホームにまつわる法改正が施行されました。従来の入居基準であった要介護基準1から、3に引き上げられたのです。基準の厳格化により、緊急性の高い高齢者が優先的に入居できる方針が強化されたといえます。また、それにより待機人数は減少しました。

しかし、それは本質的な解決とはなりません。これまでは入居基準を満たしていた人が、強制的に待機列から追い出されたことと同義であるからです。

待機列から退場した高齢者の居場所は?

そもそも、老人ホームは介護認定を受けている高齢者のみが必要としている施設ではありません。限りある人生の時間をどのように過ごすのか、実りのある生活を送るためにはどうすればいいのか? 老人ホームは、そんな声に応えられる施設でもあります。特別養護老人ホームへの入居基準を持たない高齢者には、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)の選択肢が注目されています。

千葉県の有料老人ホーム・サ高住

有料老人ホームとはなにか。特別養護老人ホームと比較して見ていきましょう。

運営組織
有料
老人ホーム
民間企業であることが一般的
特別養護
老人ホーム
地方公共団体や社会福祉法人など、公的な組織
施設のありかた
有料
老人ホーム
食事の提供や介護、レクリエーションなど、施設ごとにあらゆるサービスを行う
特別養護
老人ホーム
あくまでも介護施設としての位置づけ
入居対象・審査基準
有料
老人ホーム
基準はそれぞれの施設規定に準ずる。空室があることが条件
特別養護
老人ホーム
要介護3以上の65歳以上の方。緊急性が高い人から優先的に入居できる
入居待ちの高齢者が増えており、千葉県の施設の平均待機人数は150名ほど
利用費目安
有料
老人ホーム
施設ごとにさまざま。月の利用料は15万円以上の施設が一般的
入居時の前払金がある施設も多い
特別養護
老人ホーム
公的施設のため安く抑えられている。月の利用料は10万円ほど
入居の際の一時金は不要
居室
有料
老人ホーム
基本的には個室。浴室とトイレが完備されているのが一般的
特別養護
老人ホーム
相部屋が主流
医療ケア
有料
老人ホーム
クリニックを併設した施設もあり、診療項目も多岐にわたりそろっている
看護師が24時間体制で常勤している施設も多い
特別養護
老人ホーム
限定的なサービスとなる施設が大半

大きな違いとしては、まずは居住空間が挙げられます。相部屋が一般的な特別養護老人ホームに対し、 有料老人ホームは個室が主流。医療、介護サービスの充実度も有料老人ホームに軍配が上がるでしょう。ただし、入居費用については特別養護老人ホームに大きなアドバンテージがあります。

有料老人ホームの種類と違い>>
サービス付き高齢者向け住宅>>

千葉県の有料老人ホーム事情

高齢化が進む千葉県においても、全国的な流れと同様に有料老人ホームが増え続けており、すでにその数は462施設。全施設の定員を合算すると、25000人近くとなっています(千葉県:2017年7月発表値)。多くの待機高齢者がいる現状において、これらの施設の人気および注目度が高まっているのは必然と言えるのではないでしょうか?

大切なのは「親子」の気持ち

千葉県で暮らすにおいて、特別養護老人ホームは待機するに見合うのか? その答えはここでは出せませんし、そもそも一概に言い切れるものではありません。特別養護老人ホームにも有料老人ホームにもそれぞれのメリットがあり、高齢者の方やご家庭にもそれぞれの事情があります。どちらが優れている、と断じるのはナンセンスです。

どのような決断を下すにせよ、大切なのは「親子」でしっかり話し合い、考えることです。父、母は残された時間をどう過ごしたいのか? 息子、娘は両親にどう過ごしてほしいのか? 機会を設けて話し合ってみると、本当はこう思っていたのか、と初めて気づかされることが多くあると思います。

老人ホームへの入居は、親子の絆が断絶されることでは決してありません。父母が健在であればいつの日か必ず訪れる課題と認識して、親子で前向きに取り組んでみてください。お互いの意見と生き方を尊重して話し合いを重ねれば、その答えはおのずと見えてくることでしょう。

 

 

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